外壁のコーキングを補修する理由やタイミングと補修方法
外壁のヒビ割れや、サイディングの継ぎ目を埋めるときに使用するのがコーキングです。ゴムのように弾力のある素材で、外壁仕上げにコーキングは欠かせません。
しかし、コーキングは紫外線を浴び続けることで劣化が進みます。コーキングが劣化した場合には補修が必要ですが、コーキングはどのように補修するのでしょうか?
この記事では、コーキングを補修するタイミングの目安と補修方法、DIYが可能なのかまで解説します。
外壁にコーキングが必要な理由
外壁にコーキングが必要な理由は、主に2つあります。
一つ目は、住宅を雨など水の浸入から守ることです。現在日本の住宅の、7割以上にサイディングが採用されています。サイディングは、防水シートを張った壁の上に、板状のサイディングを張り合わせるように施工するため、継ぎ目ができることが特徴です。
継ぎ目をそのままにしておくと、雨が降ったときなどに水が浸入して構造を痛めてしまうため、隙間を埋めるためにコーキングを施します。
二つ目の理由は、家を衝撃から守ることです。コーキングはゴムのような弾力がある素材でできているため、地震などが発生して家が揺れたときに、壁に伝わった衝撃を和らげる、クッションのような役割を果たします。
コーキングは地味ですが、このように家を守る大切な役割があります。劣化が見つかった場合には、早めに補修することが大切です。
外壁のコーキングを補修するタイミングの目安
コーキングの寿命は、5年〜10年とされています。以下のような劣化症状が見つかったときには、コーキングの補修を検討するタイミングと考えると良いでしょう。
ヒビ割れ
コーキングはゴムのような弾力のあることが特徴ですが、紫外線により劣化が進むと硬くなり、やがて細かなヒビ割れが発生します。
肉やせ
コーキング剤の厚みが薄くなって、すり減っている状態です。正常な状態では、コーキングは周辺の壁の高さと段差を感じません。
欠落・剥離(はくり)
コーキングの一部が剥がれ落ちたり、壁との間がタテに剥がれたりしている状態です。劣化原因のこともあれば、コーキングを打つときに、プライマーがきちんと塗られていない場合に剥がれてしまうこともあります。
コーキングの補修方法は2種類
コーキングの劣化が見られたときの補修方法は、以下の2種類があります。
・打ち替え
・増し打ち
それぞれどのような補修方法なのか、違いを確認しましょう。
コーキングの打ち替え
コーキングの打ち替えは、現在壁の継ぎ目に充てんされているコーキング剤をきれいに取り外してから、新しく打ち直す方法です。
コーキングを剥がす手間ヒマがかかり、費用も高くなりますが、完全に新しいものに入れ替わるため防水効果は高くなります。
コーキングの増し打ち
コーキングの増し打ちは、既存のコーキングはそのままで、上に新しく重ね塗りする方法です。
コーキングを剥がす必要がなく、使用する量も少なくてすむので安くつきますが、もともとのコーキングの性能が回復するわけではありません。厚みも十分持たせられないため、クッション効果も薄くなります。
コーキングの増し打ちは、打ち替えするまでにどうしても隙間が気になるときなど、短期の応急処置のみ有効と考えるようにしましょう。
コーキングの補修はDIYできる?
コーキングのヒビ割れや剥離が気になるときに、費用を抑えたいからとDIYを検討している方もいるのではないでしょうか。
コーキング補修をDIYで行うことは、決して無理なことではありません。基本的にはコーキングをきれいに取り除き、プライマーを塗り、コーキングガンを使用して充てんしていく作業を行います。
しかし、既存のコーキングをきちんと取り除けていなかったり、プライマーを塗り漏れたり、あるいは充てんが不十分だったりした場合には、そこから水漏れが発生してしまいます。結果的に家の構造まで水がしみ込み、家自体の劣化が進むことにもなりかねません。
また、コーキングの劣化が2階部分で見られる場合には、高所作業が発生するため大変危険です。家を長持ちさせるため、そして身の安全を守るためにも、コーキングの補修は専門業者に依頼するようにしましょう。
コーキングの補修は外壁の塗装と同時に行うと割安
コーキングの劣化が気になるときには、外壁の塗り替えと同時に行うと割安になります。
コーキングの寿命は5〜10年ですが、これは壁の塗装の寿命とほぼ同じです。コーキングを補修するときには、高所作業となるため足場を組む必要がありますが、壁の塗装のタイミングと合わせれば、足場代が1度ですむぶん節約できます。
コーキングの劣化が気になるときには、外壁の塗装と時期をあわせて同時にすませられないか、業者に相談するようにしましょう。
コーキングの補修は業者に打ち替えを依頼しよう
コーキングが劣化すると、水漏れや地震などの衝撃から家を守れなくなってしまいます。コーキングの寿命や劣化のタイミングで、外壁の塗装と同時にすませることが、コストを抑えつつ家を長持ちさせるポイントです。
コーキングは、増し打ちではなく打ち替えが基本です。「安くなるから」と安易に増し打ちを進める業者には注意するようにしましょう。