【外壁塗装の基礎知識】チョーキングとはなに?
外壁塗装は、紫外線などの外的な刺激から建物を守るきわめて重要な役割を担っています。
ところが、経年とともに必ず劣化するため、建物を守る機能を失う前に塗り替えをしなくてはいけません。
外壁塗装の劣化症状のひとつに「チョーキング」がありますが、いったいどのような現象で、またどの程度のリスクがあるのでしょうか?
そこで今回は、外壁塗装の劣化現象「チョーキング」について、詳しく解説したいと思います。
外壁塗装のチョーキングとはなに?
外壁塗装のチョーキングとは、外壁の表面にまるでチョークの粉のようなものが付着する現象のことをいい、「白亜化現象」とも呼ばれます。
指で外壁表面を擦ると指先が白くなるため、発生しているかどうか簡単に判別することが可能です。
●チョーキングが発生する原因とは?
チョーキングが発生するのは、以下の通り大きく2つの原因が考えられます。
経年劣化
外壁塗装に使用される塗料の主要成分のひとつに顔料があります。
塗膜が長年に渡って紫外線の影響を受け続けると、徐々に表層樹脂が分解され、主要成分の顔料が粉状になって表面に現れるようになります。
これが経年劣化によるチョーキング現象です。
日射の度合いや塗料の種類にもよりますが、概ね5~10年程度で発生するなど比較的頻度の高い劣化現象となります。
施工不良
チョーキングは、施工不良が原因で発生することもあります。
施工段階で攪拌不足があったり、あるいは使用量が適正でなかったりすることなどが、おもな原因です。
施工不良によるチョーキングの場合、経年劣化のように時間をかけて現れるというよりも、比較的早期に生じる傾向にあります。
●チョーキングの危険性は?
チョーキングは、比較的初期に見られる劣化現象になります。
よって、完全に機能を失っている段階とはいえず、緊急的に塗り替えるほどの危険性はありません。
ただし、初期症状とはいえ、連鎖的にその他の劣化を引き起こすことがある点では注意が必要です。
また、早めの塗り替えが必要といえる劣化症状といえば、塗膜の浮きや剥がれ、そしてコーキングの剥離や破断などが挙げられます。
つまり、チョーキングが現れたら塗り替えるタイミングが近いことを認識し、重い劣化症状へ発展する前に塗り替えをすることが重要になるでしょう。
チョーキングを抑える塗料「ラジカル塗料」
外壁塗装のチョーキングを抑える効果がありコストパフォーマンスに優れるとして近年注目を集めている塗料に「ラジカル塗料」があります。
ラジカルとは塗膜が紫外線の影響を受けて発生する劣化因子のことをいいますが、このラジカルを制御する成分を配合したものが「ラジカル塗料」になります。
つまり「ラジカル塗料」は、チョーキングを抑え、塗膜の耐久性アップにも寄与するというわけです。
まとめ
外壁塗装に現れるチョーキングは、比較的初期の劣化症状です。
緊急を要する症状とまではいえませんが、塗り替えを検討するタイミングが近いということは意識しておく必要があります。
そして、著しく劣化が進行する前に塗り替えを実施し、機能維持を図ることが重要です。
また、長期的なコストパフォーマンスを最適化する意味でも、塗り替え時には高性能な塗料を使いメンテナンスサイクルを長く設定することを検討してみるとよいでしょう。