ガルバリウム鋼板を屋根に使う5つのメリットを解説
2019年の屋根材市場調査において、金属屋根のシェアは64.1%とシェアトップを占めました。これより10年前の2009年は粘土瓦が51.3%、セメント系瓦が31.6%で、金属屋根はわずか14.5%であったことを考えると、短期間で急速な支持を得たことがわかります。(出典:株式会社矢野経済研究所 )
そんな金属屋根のなかで、もっとも多く採用されているのがガルバリウム鋼板です。今回は、
「ガルバリウム鋼板ってどんな金属屋根なの?」
「ガルバリウム鋼板を屋根に使うとどんなメリットがあるのか知りたい」
といった人に向けて、ガルバリウム鋼板の概要とメリットをお伝えしていきます。ガルバリウム鋼板を屋根材として検討する際の参考にしてみてくださいね。
そもそもガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%・亜鉛43.4%・シリコン1.6%の割合で構成されている金属板です。業界では「ガルバ」「GL鋼板」と呼ばれています。
耐食性の強いアルミニウムと、防食作用のある亜鉛が使用されていることで、耐久性が高いことが特徴です。家のなかでも屋根は直射日光による紫外線と風雨の影響をもっとも受ける箇所なので、耐久性の高い素材を使用することが大切です。そういった点から、ガルバリウム鋼板は屋根材に適した建材として注目を集めるようになったのです。
ガルバリウム鋼板を屋根に使う5つのメリット
ここからは、ガルバリウム鋼板を屋根に使うメリットを、5つ紹介していきます。
耐久性が高い
ガルバリウム鋼板は、お伝えしたように耐久性が高いことが特徴です。かつて金属系屋根材として使用されていた亜鉛メッキ鋼板は、表面の塗膜のみでサビの発生を防いでいました。しかし塗膜が劣化しいったんサビが発生すると、どんどん進行してしまい、やがて穴があくことも少なくなかったのです。
ガルバリウム鋼板も、金属である以上サビとは無縁ではありません。しかしサビが発生したとしても、塗膜に施された亜鉛が反応してサビを包み込む「犠牲防食」と呼ばれる機能が働き広がりを防ぎます。そのためなかなかサビが進行しないことが、ガルバリウム鋼板の特徴です。
耐用年数も30年程度とされていて、スレート屋根が20年程度であることを考えると長いこともメリットです。
耐震性に優れている
ガルバリウム鋼板を屋根材に使用すると、耐震性が高まることも、日本が地震大国であることを考えると見落とせないメリットです。ガルバリウム鋼板は、屋根材シェア2番目につけている粘土瓦と比較すると、6分の1から10分の1の重さしかありません。
家の重さは耐震性に影響し、とくに屋根が重いと家の重心が上に傾くため耐震性が落ちてしまいます。ガルバリウム鋼板を使用すると、家の重心が下がるため、耐震性を向上させることにつながるのです。
コケやカビなどがつきにくい
ガルバリウム鋼板は金属であるため、湿気や雨水を吸収することがありません。そのためほかの屋根材と比較すると、コケやカビなどの汚れがつきにくいことが特徴です。
スレート屋根などはセメントが主原料なので塗装が劣化すると水分を吸収しやすく、コケやカビが生えやすいのですが、ガルバリウム鋼板ならその心配はありません。
カバー工法で使用できる
ガルバリウム鋼板は軽量であることから、屋根のカバー工法に使用できることもメリットです。カバー工法とは既存の屋根材を取り払わずに、被せるように新しい屋根を取り付ける工法です。
屋根材を撤去する工事や廃棄費用が不要になるので、コストを抑えて屋根をリフォームできます。しかし屋根が二重になるため、耐震性が落ちる心配があります。その点ガルバリウム鋼板であれば軽量なので、耐震性を大きく落とさず施工できるメリットがあるのです。
デザイン性が高い
ガルバリウム鋼板は、デザイン性が高いことも特徴で、その見た目に魅力を感じて選ぶ人も少なくありません。粘土屋根ほど和風にかたよらず、スレート屋根ほど洋風にもならず、金属ならではのスタイリッシュでシャープな印象を与えます。
屋根には黒やブラウン、濃紺などの濃い色が好まれますが、ガルバリウム鋼板は着色性が高いことから色の種類も多く、好みの色で自分らしい家を演出することが可能です。
ガルバリウム鋼板の屋根は定期的なメンテナンスで耐久性を維持しよう
ガルバリウム鋼板は、耐久性があり軽量で耐震性を高められることから、現在日本でもっとも多く使用される屋根材になりました。サビに強いことがガルバリウム鋼板の特徴ですが、表面に施された塗装は次第に劣化が進んでいきます。
少しでもガルバリウム鋼板を長持ちさせるのであれば、定期的な塗装メンテナンスを行うのがおすすめです。塗料の寿命は一般的に10年前後とされていることから、施工から10年を過ぎたら専門業者に屋根の状態のチェックを依頼してみてくださいね。