屋根カバー工法のメリットとは?デメリットもあわせて解説
今ある屋根の上に、新しい屋根を作るのが「カバー工法」です。屋根カバー工法は、葺き替えと比較するとメリットが多いことから、近年多くの屋根リフォーム業者が採用している手法です。
この記事では、「カバー工法にはどんなメリットがあるの?」と気になっている方に向けて、カバー工法のメリットを詳しく紹介していきます。デメリットもあわせて紹介しますので、カバー工法を検討する際の参考にしてください。
屋根カバー工法のメリットとは
現状の屋根の上に新しい屋根を作る「カバー工法」には、4つのメリットがあります。
- 工事費用が安くなる
- 工事期間が短くなる
- 断熱性能が上がる
- 構造を傷めなくてすむ
どのような内容なのか、詳しく見てみましょう。
工事費用が安くなる
カバー工法の大きなメリットは、工事費用が安くなることです。
これまでのように屋根を新しく葺き替えるときには、既存の屋根を撤去して、廃材を処分する必要がありました。廃材の撤去にも処分にも、当然ながら費用が発生します。対してカバー工法は、既存の屋根はそのままで上に新しい屋根を設置するので、既存屋根の撤去や廃材処分にかかるコストが不要になります。
工事期間が短くなる
カバー工法は、工事期間が短くなることもメリットです。
カバー工法では既存屋根の撤去が不要になるので費用が安くなりますが、同時に撤去する時間もいらなくなります。そのぶん工事期間も短くなるのです。
短縮される日数は、屋根の大きさにもよりますが、2〜3日といったところです。工事期間が短くなると、人工費もそのぶん減ることになるため、トータルコストの軽減にもつながります。
断熱性や防音性が上がる
カバー工法を採用すると、断熱性や防音性が向上することもメリットのひとつです。
カバー工法では、新しい屋根を作るときに、断熱性能の高い屋根材を使うことで、断熱性を向上させることが可能です。また、既存の屋根を残したまま上に新しい屋根を作るので、屋根が二重構造になることから、防音性も高まります。
構造を傷めなくてすむ
既存の屋根をはがさないカバー工法は、構造材を傷めないこともメリットです。
屋根を葺き替えるときには、既存の屋根をはがすときに、屋根材の下にある野地板や垂木などの構造材に負荷を与えてしまう可能性があります。屋根カバー工法ではもとの屋根をはがすことはないため、構造材を傷める心配はありません。
屋根カバー工法にはデメリットもある
メリットの多いカバー工法ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 屋根が重くなる
- 劣化が進みすぎていると対応できない
- 瓦屋根には施工できない
- 屋根材を選べない
どういった内容か説明していきます。
屋根が重くなる
カバー工法は、既存の屋根を取り払うことなく新しい屋根を重ねるので、単純に新しい屋根のぶん重たくなってしまいます。
屋根が重くなると、家の重心が上がるため、地震などが発生したときに揺れが大きくなることが考えられます。基本的にカバー工法は軽量な屋根材を使用しますが、それでも現状よりは重量が増してしまうことはデメリットです。
構造がしっかりした家なら問題になることはほとんどありませんが、壁量や壁の配置に問題があるケースでは、避けた方が無難です。
劣化が進みすぎていると対応できない
カバー工法は、既存の屋根の劣化が進みすぎている場合には対応できないこともデメリットです。
今の屋根の下地や構造部分が傷んでしまっている上に、新しい屋根を乗せるのは危険です。新しい屋根を重ねても、既存の屋根の劣化が止まるわけではないためです。やがて朽ちて落ちてしまう心配があるので、既存屋根の劣化がひどければカバー工法ではなく葺き替えを検討するようにしてください。
瓦屋根には施工できない
今の屋根が粘土やセメントで作られた瓦屋根の場合には、カバー工法は施工できません。
一般的に瓦屋根は波打っており厚みもあるので、新しい屋根を固定するのが難しいことが理由です。瓦屋根をリフォームするときには、葺き替えを実施しましょう。新しい屋根を軽い屋根材で施工すれば、耐震性も上がるのでおすすめです。
屋根材を選べない
葺き替えでは屋根を新しいものにするので好きな屋根材を選べますが、カバー工法では多くの場合金属屋根での施工になります。
カバー工法は、既存の屋根に新しい屋根を重ねるので、できるだけ重くならないように軽い屋根材を選ぶ必要があるためです。そのため通常は、薄くて非常に軽量な金属屋根、多くの場合はガルバリウム鋼板が選ばれます。
金属屋根は気に入らない、どうしても使いたい屋根材があるといったケースでは、耐震性の面からも、葺き替えを検討するようにしてください。
屋根カバー工法が可能かどうかはプロに判断を依頼しよう
カバー工法は、費用が安く工期も短くなるなどメリットが多い工事です。しかし、今の屋根の劣化具合によっては、葺き替えしかできないケースもあります。
マイホームの屋根にカバー工法が適用できるかどうかの判断は、素人では難しいため、プロに依頼することが大切です。