外壁のヒビ割れはなぜ起こる?4つの原因と対処法
気がついたらいつの間にか外壁にヒビ割れが入っていた!と慌ててはいませんか?外壁がヒビ割れるのには4つの原因があり、どのようなヒビ割れかによって必要な対策が異なります。
そこで今回は、
「外壁がヒビ割れるのにはどんな原因があるの?」
「ヒビ割れたときにできる対策を知っておきたい」
といった疑問を持っている人に向けて、外壁がヒビ割れる4つの原因を解説し、対策が必要なヒビ割れなのかの見分け方、自分でできる対処法まで紹介していきます。
外壁がヒビ割れる4つの原因
外壁がヒビ割れる原因は、以下の4つに大別されます。
- 乾燥クラック
- 構造クラック
- 縁切れクラック
- ヘアクラック
それぞれの特徴を解説していきます。
乾燥クラック
乾燥クラックは、湿式で仕上げられた壁が乾燥するときに発生するヒビ割れです。湿式とは、コンクリートやモルタル、珪藻土や漆喰などの塗り壁材を施工現場で水と合わせて練り合わせ、ハケやコテなどで仕上げることを指します。
湿式で仕上げた壁の水分が蒸発して乾燥するときに材料が収縮し、ヒビ割れたものが乾燥クラックです。乾燥クラックは主に壁の表面のみで起こり、完全に乾燥してしまえばそれ以上広がらないことが特徴です。
構造クラック
構造クラックとは、建物に地震や不同沈下といった大きな力が加わることによって発生するヒビ割れです。構造クラックはヒビ割れの幅が大きく、深くなりがちなことが特徴です。構造部分のヒビ割れであるため、放置すると倒壊の危険性があるので注意しましょう。
縁切れクラック
縁切れクラックとは、壁を塗り継いだ継ぎ目に発生するヒビ割れのことです。縁切れクラックは、最初に塗ったところと後に塗ったところの乾燥速度が異なり、収縮に差が生じることで発生します。
ヘアクラック
ヘアクラックとは、塗膜の表面に発生する髪の毛のように細いヒビ割れを指します。ヘアクラックは施工不良や経年劣化によって起こります。ほかの3種と異なり塗装面のみのヒビ割れなので、見栄えは悪くなりますが、緊急性は低いヒビ割れです。
補修が必要なヒビ割れの見分け方
補修が必要なヒビ割れかどうかは、ヒビ割れの幅と深さで判断します。しかし家庭では深さを測ることは難しいので、とりあえずは幅を測定するようにしましょう。
ヒビ割れの幅 | 緊急度 |
0.3mm未満 | 建物自体の構造には直接影響を及ぼす可能性は低いので、緊急性はありません。注意して進行を見守りましょう。 |
0.3mm〜1mm未満 | 構造クラックである可能性があります。クラックが広がると、大規模な補修が必要になるため、専門業者に点検を依頼しましょう。 |
1mm以上〜3mm未満 | 構造クラックの可能性が非常に高いヒビ割れです。外壁表面だけではなく、下地や構造部分の点検・補修も同時に行うようにしましょう。 |
3mm以上 | クラックがかなり進行しています。長期間放置されていた場合には、建物内部に雨水が浸入し、構造部分の劣化が進んでいる可能性があります。すぐに専門家に調査と補修を依頼しましょう。 |
0.3mmが緊急度の低いヒビ割れと高いヒビ割れの判断の目安になりますが、「どうやって測ればいいの?」と思った人もいるのではないでしょうか。
ホームセンターでは「クラックスケール」と呼ばれる専用の道具が販売されていますが、ご家庭に「ハガキ」があれば活用できます。ハガキの厚さは約0.3mmなので、ハガキを差し込めない程度であれば緊急性は低いと判断できます。
0.3mm以下のヒビ割れを自分で補修する方法
0.3mm以下のヒビ割れなら、以下の手順で補修することが可能です。
- ヒビ割れが発生している壁を高圧洗浄機できれいにする
- 完全に乾燥させてから、ヒビ割れの周りをマスキングテープで保護する
- ハケなどでプライマーと呼ばれる下塗り剤を塗る
- コーキングガンを使用して、ヒビ割れ箇所にコーキング剤を充てんする
- ヘラでコーキング剤を押し込みながら平らにする
- マスキングテープをはがして乾燥させる
上記の手順で補修できるのは、あくまで0.3mm以下の外壁や構造そのものに大きな影響を与えないヒビ割れのみです。ヒビ割れの幅が0.3mm以上あるなら、DIYでの修復はできません。0.3mm以下のヒビ割れであっても、高所にある場合は作業に危険がともなうことから、自力での修復は避けて業者に依頼するようにしましょう。
ヒビ割れの点検・大きなヒビ割れの補修は業者に依頼しよう
外壁にヒビ割れを発見したら、ヘアクラック程度であれば緊急性は低いと判断できます。しかし目の届かない高所にもっと大きなヒビ割れが発生している可能性は否定できません。
また、大きなヒビ割れや高所でのヒビ割れが発生している場合も、DIYでの補修は望ましくありません。大きなヒビ割れはその部分をカットして埋めるなど、大がかりな補修が必要になります。高所のヒビ割れも、転落の危険があるので自力での補修は避けましょう。
ヒビ割れが気になるときには、まずは業者に点検を依頼するのがおすすめです。