スレート屋根とは?基礎知識とメリットとデメリット
日本の家の屋根といえば、粘土瓦が乗っているのが定番でしたが、いまでは新築する人の多くがスレート屋根を選ぶようになりました。スレート屋根が瓦にとって変わったのには、どのような理由があるのでしょうか?
今回はスレート屋根とはどのような屋根材なのか、メリット・デメリットとあわせて紹介します。
スレート屋根とは
スレートは、もともとは粘板岩と呼ばれる石を薄く加工した建築素材を指す言葉です。粘板岩からできたスレートは「天然スレート」と呼ばれ、ヨーロッパなどでは寺院などの屋根でよく見られます。しかし日本では手に入りにくく、また高価であることからほとんど普及していません。
日本で採用されているのは、「化粧スレート」と呼ばれるセメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工して作られるものです。「カラーベスト」や「コロニアル」といった、商品名で呼ばれることも多い屋根材です。
スレート屋根のメリット
スレート屋根は、塗装することで自由に色づけできるため、カラーバリエーションが豊富なことがメリットです。外壁にあわせ、自分の好みの色を選べます。平らなものだけではなく波打ったものもあり、デザイン性にも優れています。
スレートは粘土瓦と比較して軽いので、耐震性が高いことも特徴です。家は重心が高くなると揺れが大きくなるため、地震が多い日本では、軽い屋根材として人気が高いこともうなずけます。
またスレートは瓦と比較すると安価なこともポイントです。スレート屋根自体が安価であることはもちろん、瓦屋根と異なりビスで留めるだけであるため施工が簡単で、高度な技術を必要としません。施工できる業者が多いことから、施工にかかる費用も瓦よりも安くつくことがメリットです。
スレート屋根のデメリット
一方スレート屋根は軽くて薄いことから、割れやすいデメリットがあります。台風などで飛来物が当たったり、強風や風圧がかかったりすると、ヒビや割れが発生するなど耐久性に劣ります。
粘土瓦と比較すると、メンテナンスコストがかかることもデメリットです。塗装が不要で寿命が100年以上ともいわれる粘土瓦と比較すると、スレート屋根は寿命も25年ほどで、10年程度で定期的な塗り直しも必要になります。
スレート屋根は素材自体に防水性がないので、塗装が落ちると一気に劣化が進んで寿命が早くなるため注意が必要です。
スレート屋根を長持ちさせるためには定期的なメンテナンスを
安価で施工できて、カラーバリエーションやデザインも豊富なことがスレート屋根の魅力です。しかし瓦屋根と比較すると、耐久性が劣ることが気になります。
スレート屋根を長持ちさせるためには、塗装メンテナンスを定期的に行い、防水性が落ちないようにすることが重要です。防水性を保つことは、スレート屋根自体だけではなく、家を雨漏りや劣化から防ぐことにつながります。
スレート屋根を採用している場合には、家の新築から10年を目安に、業者に点検を依頼するようにしてください。