脱気筒とは?屋上防水工事に欠かせない部材の役割とメンテナンス方法

こんにちは!イエプラスのスタッフです!
ビル、マンションの屋上の防水工事では、「脱気筒」という部材が使われます。
脱気筒は、防水層の下に溜まった湿気や水蒸気を外に逃がすための部材で、湿気の膨張による防水シートの剥がれなどを防ぐ役割があります。
今回は、この「脱気筒」について、基本的な仕組みから設置が必要なケース、メンテナンスの方法まで、わかりやすく解説します。
もくじ
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脱気筒とは?その仕組みと役割
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脱気筒が必要な理由
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脱気筒はどんな場所に設置する?
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設置数の目安と設置位置のポイント
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脱気筒の種類と素材
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脱気筒のよくある不具合とサイン
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脱気筒のメンテナンス方法
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脱気筒の工事もイエプラスにお任せください
脱気筒とは?その仕組みと役割
脱気筒(だっきとう)とは、ビルやマンションの屋上に施工された防水層の下に湿気が溜まらないよう、外部に排出するための筒状の部材です。
防水層はコンクリートなどの下地の上に直接施工されます。
この下地には、施工時の水分や外部から染み込んだ雨水、さらにコンクリート自体が持つ水分などが含まれており、時間の経過とともに気化して水蒸気になります。
この水蒸気は行き場を失うと防水層の下に溜まり、防水層を内側から押し上げる圧力となります。
この現象は「膨れ(ふくれ)」と呼ばれるもので、防水層の劣化や破断を引き起こす原因になります。
脱気筒はこの水蒸気を外部に逃がすことで、防水層が膨れるのを防ぐ役割を担っています。
構造はシンプルで、防水層を貫通して設置された筒の上部に、雨水が入りにくいキャップ(笠)が付いた形をしています。
下から上がってきた水蒸気はこの筒を通って外気に放出されます。
またキャップの設計上、外からの雨水は内部に入りにくい構造になっています。
脱気筒が必要な理由
脱気筒の必要性は、防水工事の工法によって変わります。
防水工事の工法は大きく「密着工法」と「絶縁工法(通気緩衝工法)」に分けられます。
密着工法は防水材を下地に直接密着させる工法で、比較的新しい建物や、下地の含水率が低い場合に採用されます。
一方、絶縁工法(通気緩衝工法)は、下地と防水層の間に通気シートを挟んで施工する工法で、水蒸気の逃げ道を確保するために脱気筒が用いられます。
特に既存の防水層を撤去せず、その上から新しく防水施工を行う「かぶせ工法」では、古い防水層の下に残った水分が逃げられないため、脱気筒の設置がほぼ必須になります。
また、築年数が経過したコンクリート下地や、過去に雨漏りが起きた箇所のある建物でも下地の含水率が高い状態にあることが多く、脱気筒の設置が検討されます。
逆に、完全に乾燥した新築の下地に密着工法で施工する場合は、脱気筒を設置しないケースもあります。
どちらが適切かは、下地の状態や工法の選択によって変わるため、専門の業者が現場の状況を確認した上で判断します。

脱気筒はどんな場所に設置する?
脱気筒は主に、陸屋根(傾斜のないフラットな屋根)やルーフバルコニー、屋上駐車場など、水平に近い面に施工された防水層に設置されます。
傾斜屋根よりも雨水が流れにくく、水分が溜まりやすい構造の屋根では特に有効です。
設置箇所は、水蒸気が集まりやすい場所を選ぶのが基本です。
防水層の下に敷かれた通気シートは、水蒸気が筒に向かって移動できるよう設計されており、脱気筒はその通気シートの通気経路の上に配置されます。
また、ドレン(排水口)の周辺や、パラペット(屋根の縁に立ち上がった壁)の際付近など、水分が溜まりやすい箇所を意識しながら設置位置を決めることが一般的です。
設置数の目安と設置位置のポイント
脱気筒の設置数については、防水メーカーや工法によって推奨値が異なりますが、一般的には25〜50平方メートルにつき1本が目安とされています。
設置数が少なすぎると水蒸気を十分に排出できず、防水層の膨れにつながります。
一方で、設置数が多ければ多いほど良いかというと、そうとも言い切れません。
設置箇所は防水層を貫通させる部分であり、施工精度が低いと逆に雨水の浸入経路になるリスクもあるため、適切な数と正確な施工が求められます。
設置位置は、屋根の最も高い部分や通気シートの末端付近が適しています。
水蒸気は高い方向に移動する性質があるため、高い位置に設置することで効率よく排出できます。
脱気筒の種類と素材
脱気筒の素材には、主にステンレス製、アルミ製、塩化ビニル(塩ビ)製があります。
ステンレス製やアルミ製は耐久性が高く、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
紫外線や熱にも強いため、屋上など日射の強い環境に向いています。
一方、塩ビ製は軽量で施工しやすく、コストを抑えやすい素材ですが、長期間の紫外線や熱によって劣化しやすいため、定期的な点検と交換が必要になります。
形状としては、キャップ部分が固定されたタイプと、キャップを取り外して内部を清掃できるタイプがあります。
メンテナンスのしやすさを考えると、取り外しできるタイプの方が利便性は高いです。
どの素材や形状を選ぶかは、使用する防水材の種類や施工環境、メンテナンス計画に合わせて選定します。
脱気筒のよくある不具合とサイン
脱気筒は比較的シンプルな部材ですが、経年劣化などが原因で不具合が起きることがあります。
1. キャップの破損・脱落
脱気筒の上部にあるキャップが、強風や経年劣化によって破損・脱落することがあります。
キャップがなくなると、雨水が筒の内部から防水層の下に浸入するリスクが生じます。
屋上を目視で確認し、筒だけが残っていてキャップがない状態になっていたら、新たなキャップを取り付けてください。
2. 筒本体のひび割れ・腐食
塩ビ製の脱気筒は紫外線や熱によってひび割れが生じることがあります。
ステンレス製でも、設置箇所の防水処理が不十分な場合、筒の根元から雨水が浸入することがあります。
筒の周囲に変色やひび、浮きなどが見られたら劣化のサインです。
3. 目詰まり
脱気筒の内部に埃やゴミ、虫などが詰まって通気性が低下することがあります。
通気機能が失われると、脱気筒を設置している意味がなくなってしまいます。
定期的に内部の状態を確認するようにしましょう。
4. 根元のシール切れ
脱気筒と防水層の接合部分には防水処理が施されていますが、経年劣化によってシールが切れ、そこから雨水が浸入することがあります。
根元周辺に浮きや剥がれが見られたら、早めに補修が必要です。

脱気筒のメンテナンス方法
脱気筒のメンテナンスは、防水層全体の定期点検とあわせて行うのが効率的です。
点検の際は以下のような点を確認します。
まずキャップの状態を目視で確認します。
割れや欠け、脱落がないかをチェックし、破損があれば同一品か互換性のある部品に交換します。
次に筒本体のひびや腐食の有無を確認します。
ステンレス製であれば錆が出ていないか、塩ビ製であれば白化やひびがないかを見ます。
根元の防水処理は特に念入りに確認します。
シールの浮きや剥がれは雨漏りに直結するため、異常が見られたらシーリング材を打ち直す補修が必要です。
また、キャップを取り外せる製品の場合は、内部に詰まったゴミや埃を取り除きます。
このような点検は、防水層の全体点検とあわせて、5年に1回程度を目安に専門業者へ依頼するのが一般的です。
ただし、台風の通過後や屋上に水たまりが長時間残るようになったと気付いたときなどは、点検周期に関係なく、不具合がないか確認するのが望ましいです。
脱気筒だけを単独で交換・補修する工事は比較的簡易なものが多いですが、防水層の貫通部に手を加える作業でもあるので、必ず専門の業者に依頼してください。
脱気筒の工事もイエプラスにお任せください
脱気筒は小さな部材ですが、防水層の寿命を守るために大切な働きをしています。
不具合を放置すると、防水層の膨れや破断、最終的には雨漏りへとつながることもあります。
弊社では屋上防水工事や脱気筒の点検・交換・補修も承っております。
「脱気筒が古くなってきた」「屋上の防水層に膨れが出てきた」「防水工事と一緒に点検してほしい」など、気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。
その他、戸建住宅の雨漏りの無料調査、各種リフォームの無料見積もりも承っておりますので、相模原市を中心とした神奈川県全域、町田市など神奈川県寄りの東京都内にお住まいの方で、屋根、外壁のリフォームをお考えの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
