屋根塗装、外壁塗装で使われる塗料とその特性
こんにちは!イエプラスのスタッフです!
最近は雨が増えてきて梅雨も近い感じがしますね。
梅雨から夏にかけては、雨や強い日差しなど、屋根や外壁にダメージを与える要因が一年の中でも特に多いです。
そこで今回は、これら劣化の要因から建材を守る塗料について、外装リフォームでよく使用されるものを中心に改めて紹介していきたいと思います。
もくじ
塗装の役割
塗料に含まれるもの
屋根、外壁によく使用される塗料
アクリル塗料
ウレタン塗料
シリコン塗料
フッ素塗料
外装に使われることもあるその他の塗料
ステイン塗料(オイルステイン)
セラックニス
屋根、外壁の塗装は専門の業者に相談を
塗装の役割
外装における塗装の主な役割は、屋根や外壁を守ることと見た目をよくすることの二点です。
屋根も外壁も屋外の過酷な環境に晒されるため、塗装でしっかり保護しないと建材が損耗したり、雨漏りなどの不具合が生じたりします。
また常に人目に触れる部分でもありますから、美観を保つためにも塗装は必要です。
この二つは経年劣化によって徐々にその機能を失っていきます。
劣化の早さは塗料の種類によって変わりますから、使用した塗料の耐用年数を考慮して、不具合が出始める前に塗り替えをするのが望ましいです。
塗料に含まれるもの
塗料は塗膜を構成する樹脂、顔料、添加剤と、揮発性の溶剤で構成されています。
溶剤には水などの無機溶剤とシンナーなどの有機溶剤があります。
耐久性の高さや作業性の良さから、以前は有機溶剤系の塗料が主流でしたが、環境や健康への配慮などから最近では無機溶剤系の塗料を使用するケースが増えています。
施工時の近隣への配慮などからも、有機溶剤の多い強溶剤塗料は避けられる傾向に変わってきています。
屋根、外壁によく使用される塗料
塗料は樹脂の種類によって性質や耐候性が異なります。
耐候性とは屋外の環境での耐久性を意味し、屋根や外壁の塗装ではこの耐候性が高い塗料を上塗りで使用するのが一般的です。
では主なものを見ていきましょう。
アクリル塗料
アクリル塗料は外装の上塗り剤としては比較的耐候性が低く、耐用年数も5~8年程度と短いです。
そのため長期間住む予定の家の外装リフォームには向いていません。
逆に数年後に引っ越す予定がある場合は価格も安価なので丁度よいでしょう。
カラーバリエーションや種類が豊富なので、外観の色に強いこだわりがある場合など、他の塗料にはない色を選択できるというメリットもあります。
(その代わり耐用年数を犠牲にしなければなりませんが)
デメリットとしては、紫外線に弱い、ひび割れが起きやすいなどの欠点があります。
ウレタン塗料
ウレタン塗料はアクリル塗料に比べて耐候性が高く、耐用年数は7~10年程度を見込めます。
アクリル塗料に比べて弾性と密着性が高いため割れが起こりにくく、建材の保護の点で優れています。
また比較的安価で作業性もよく、仕上がりも美しい艶があり傷も付きにくく、カラーバリエーションも豊富にあります。
デメリットとしては、紫外線に弱く変色しやすい、汚れが付着しやすいなど、美観を損ねやすいという欠点があります。
シリコン塗料
シリコン塗料はウレタン塗料より耐候性が高く、耐用年数も10~15年と長いです。
価格と耐用年数のバランスがよく、コストパフォーマンスが高い塗料です。
こう聞くとシリコン塗料はウレタン塗料の上位互換で、機能面だけを見ればシリコン塗料一択のように思われるかもしれません。
しかしシリコン塗料はウレタン塗料ほど柔軟性が高くないため割れやすいという欠点があります。
アクリル塗料と同様、建材の歪みの影響で塗膜が割れる場合があるので、屋根や外壁の素材によってはウレタン塗料を使用した方がよい場合もあります。
そのあたりはケースバイケースなので、施工業者とよく相談して何を使うのが適切か判断するとよいでしょう。
フッ素塗料
フッ素塗料はシリコン塗料よりさらに耐候性が高く、耐用年数も15~20年と非常に長いです。
特性が非常に優れていて、耐熱性が高く紫外線による劣化も小さい、汚れが付きにくく落ちやすい、カビや藻が付きにくい、防水性が高いと、屋根や外壁の塗装と非常に相性がよいと言えます。
割れにはやや弱いですが、柔軟性を改善した割れにくいフッ素塗料もあるため、耐久性に関しては申し分ありません。
このような特性からビルの外壁などはこのフッ素塗料がよく使用されます。
しかし特性が優れているぶん価格が高価で、一度の塗り替えでかかる費用がウレタン塗料やシリコン塗料よりも高いという欠点があります。
耐用年数を考えれば一概に高いとは言えないのですが、一度に多くの費用がかかるため、予算オーバーで使用できないといった事態が考えられます。
また長期で住む予定でフッ素塗料を使用したにもかかわらず、何らかの理由で引っ越しすることになった場合、結果的にコストパフォーマンスが悪かったと感じるかもしれません。
これに関してもやはりケースバイケースなので、その家に長期間住む可能性がどのぐらいあるかなども考慮して総合的に判断しましょう。
仮に予定していたほど長く住まなかったとしても、耐久性が高くて困ることはそうそうないので、予算が許すのであれば選択肢の一つとして検討した方がよいでしょう。
これらの塗料の他、光触媒塗料、ナノテク塗料、ラジカル制御形塗料、セラミック塗料など、現在では様々な機能を備えた塗料が外装に使用されています。
ただしこれらの分類は機能や特性による区別なので、耐用年数は最大でもフッ素塗料と同等の20年が上限になります。
外装に使われることもあるその他の塗料
その他の塗料についても見てみましょう。
下に紹介する塗料は外装に最適とは言い難いものの、特徴的な質感を備えていたり、特定の用途で活躍したりするものです。
ステイン塗料(オイルステイン)
ステイン塗料も入手しやすい塗料で、木材の塗装に広く使用されます。
ここではその中でもスタンダードなオイルステインについて解説します。
オイルステインは、顔料を含んだオイルを木に直接木に刷り込むことで導管を埋め、着色をしつつ水分が木の中に入らないように保護する塗料です。
その落ち着いた風合いから木製の家具などに使用され、塗装初心者でも正しい手順で作業すれば失敗しにくいことから趣味の木工にも最適です。
欠点としてオイルステインは乾燥が遅く作業時間がかかります。
また特殊なものを除いて基本的に耐候性が低い上、導管に染み込ませる塗料なので表面に塗膜ができず耐摩耗性も低いです。
そのため屋外の環境では劣化が早く、木材に傷が付きやすいです。
その反面、防腐効果があるため数年おきに重ね塗りをすれば木材の腐敗を防ぐことができます。
このような特性から、デザインの都合で外装の一部に木材を使用する際、木目や木肌の見た目を活かしたい箇所に使用する場合があります。
その他、ウッドデッキの着色などにも最適です。
セラックニス
セラックニスはラック貝殻虫という昆虫の分泌液から精製したセラック(シェラック)をアルコールで溶かした塗料です。
滑らかで弾力性もありながら硬さも備えた性質で、木材と相性が良く、楽器や家具に使用されることが多いです。
また昆虫の分泌液とアルコールから作られるため安全性が高く、食品や医療品のコーティングにも使われます。
アルコール以外の溶剤に溶けない性質があるため、下塗り剤として上塗り剤が木材に染み込むのを防いだり、中塗り剤として下塗りと上塗りの塗料が混ざらないようにするのにも使えます。
たとえばオイルステインの上からクリアラッカーを塗りたいとき、ステインとラッカーの間にセラックの層を設けることでステインの色がにじむのを防ぐことができます。
その他、杉や松などヤニの出る木材のヤニ止めにも使えます。
これらの特性から、セラックは内外装で木部の下塗り、中塗りに使用できます。
屋根、外壁の塗装は専門の業者に相談を
これらの塗料のうちどれを使用するのが適切かは、経験とノウハウがないと判断が難しいので、専門のリフォーム業者とよく相談して決める必要があります。
その際「最新の塗料で耐用年数は30年以上」などの非現実的なうたい文句で、実際には質の悪いものを高い値段で売りつける悪徳業者もありますから、必ず合い見積もりをとるようにしましょう。
イエプラスはいつも適正価格でのご提供を心がけており、相見積もりも推奨していますので、相模原市を中心とした神奈川県全域、神奈川県寄りの東京都内にお住いの方で、屋根塗装、外壁塗装をお考えの方はぜひお問合せください。