窯業系サイディングのクラック(ひび割れ)について

こんにちは!イエプラスのスタッフです!
モルタルなどのコンクリート外壁によくあるトラブルの一つにクラック(ひび割れ)がありますが、実は窯業系サイディングでも稀にクラックが生じることがあります。
窯業系サイディングは、耐火性やデザイン幅の広さ、工場での仕上げが可能な点から、住宅の外壁材として長年採用されてきた外壁材です。
今回はこの窯業系サイディングに見られるクラックのパターン、発生メカニズム、点検時に注目すべき箇所、補修の手順と維持管理のポイントをまとめて解説します。
もくじ
窯業系サイディングの基本
クラックが生じる主な要因
クラックの見分け方と確認ポイント
補修の流れと工法の選び方
定期点検とメンテナンス
窯業系サイディングのクラック修繕はイエプラスにお任せください

窯業系サイディングの基本
窯業系サイディングは、セメントを主原料に繊維質原料や無機材料を加えて成形した外装用ボードで、工場で塗装や化粧仕上げを行うタイプと、現場で塗装するタイプがあります。
窯業系サイディングはJIS(日本産業規格)で厳格に定められており、原料の範囲、曲げ強さ、吸水・凍結融解性能、反り、外観などの試験方法と要求事項が決まっています(JIS A 5422)。
外観に関しては、欠けや表面の亀裂、剝離などが「使用上有害なものであってはならない」とされており、検査で基準を満たさない製品は不良と判断されます。
一方で、実際の仕上がりや長期性能は、標準施工書で示される留め付けピッチ、目地幅、端部クリアランス、タッチアップ方法などの施工条件にも大きく左右されます。
クラックが生じる主な要因
窯業系サイディングのクラックは、特定の一要因ではなく「材料特性 × 施工 × 環境 × 建物の動き」などが重なって発生することが一般的です。
代表的な要因は次のとおりです。
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塗膜の経年劣化と乾燥収縮:
塗膜が紫外線や雨で弱まると、建材を保護する効果が弱くなり、乾燥や温度変化による収縮で微細なヘアクラックが出る場合がある。これはサイディング材の寸法変化に塗膜が追随できなくなることが原因。
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シーリング(目地)劣化と下地の動き:
シーリングが硬化・剥離すると、隣接するパネルとの相対運動が増え、端部に応力が集中して割れが生じる場合がある。継ぎ目の不具合は内部への雨水侵入リスクも高める。
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外的衝撃や施工不良
外部からの衝撃、取り付け時の固定の不適正、釘やビスの締め付け過多・不足などが局所的な亀裂を誘発する場合がある。固定部周辺に円形の亀裂や欠けが見られる。また、胴縁などの下地材の不備(たわみ、間隔不適正など)もパネルに過度な負担をかけ、割れを引き起こすことがある。
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環境要因:
日射量の多い面、風雨の直撃を受ける面、海岸近くの塩害影響がある地域などでは塗膜やシーリングの劣化が早まるため、割れが生じやすくなる。
クラックの見分け方と確認ポイント
クラックを見つけたときの確認ポイントは、まず「表層だけの浅いクラック」か、「基材まで到達している深いクラック」かです。
浅いクラックは主に塗膜や表面層の劣化が原因なのに対し、基材クラックは構造的な負担や含水・凍害などが絡んでいることが多く、補修方法も変わります。
確認するときの主なチェックポイントは次のとおりです。
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ひびの深さと幅
ライトを当てて影や段差を確認し、名刺や薄いプラスチック片などでおおよその幅を把握します。段差や欠け、明らかな開きがある場合は、基材補修や張り替えの検討が必要になることがあります。
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目地周辺の状態
シーリングにひび、肉やせ、剝離、隙間がないかを確認します。目地や開口部まわりの劣化は、雨水の侵入と内部の腐朽の前兆となることが多く、早めの処置が重要です。
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固定部(釘・ビス・金具)の状態
ビス頭まわりのひび、釘の浮き、金具の緩み、サイディングの浮きや反りを合わせて確認します。固定力が低下するとボードの動きが大きくなり、新たなクラックや目地開きにつながります。
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吸水・汚れの痕跡
雨だれ跡や黒ずみが見られる部分は、塗膜の防水性能が低下している可能性が高いです。こうした部位では、吸水と乾燥を繰り返すことでボードの変形やクラックが進行しやすくなります。

肉眼だけでは内部の状態を判断しきれない場合も多いので、最終的な判断には専門業者による打診や部分的な開口調査などが必要になります。
イエプラスでも各種調査・診断を承っておりますので、外壁にクラックが見られる場合はお問い合わせください。
補修の流れと工法の選び方
補修を検討する際は、なぜそのクラックが起きたのか、原因の整理から始めます。
その上で、クラックの深さ、目地の劣化の有無などを総合的に見て工法を選びます。
表層クラックの場合は、一般的に次のような流れで対応します。
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外壁の洗浄
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下地調整
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下塗り
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上塗り仕上げ
基材に達する深いクラックや欠け・破断がある場合、次のような工法が用いられます。
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Uカット・Vカット後に樹脂系充填材を入れ、表面をパテ等で整形する方法
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欠損部が大きい場合のパッチ修理
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変形や損傷が大きい場合の部分張り替え(パネル交換)
シーリング劣化が主因と考えられる場合は、次のような手順が一般的です。
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既存シーリング材の撤去
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目地内の清掃・乾燥
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専用プライマーの塗布
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新規シーリング材(弾性タイプ)の充填
いずれの補修でも、施工前の十分な洗浄と乾燥が不可欠で、汚れや水分が残った状態で材料を施工すると密着不良などによる剥がれなどが起きます。
定期点検とメンテナンス
外壁の劣化スピードは、方位・日射量・風雨・周辺環境(海岸部、山間部、幹線道路沿いなど)によって大きく変わります。
日射や雨を強く受ける面を意識して確認し、色あせ・チョーキング・汚れ・ひび割れ・シールの状態を定期的にチェックすると、早い段階で異常に気づきやすくなります。
塗装やシーリングのメンテナンス周期は製品・仕様・環境により異なりますが、数年おきに専門の業者による点検・調査を行い、現状を見て判断することが推奨されます。
なお足場を設置する必要がある場合は、足場を共有できる別の工事(外壁塗装の塗り替えなど)とまとめることでトータルコストを抑えることができます。
窯業系サイディングのクラック修繕はイエプラスにお任せください
窯業系サイディングのクラックは、早めの点検と適切な補修をすれば比較的軽い費用負担で修繕できます。
イエプラスは屋根・外壁の各種調査を一部無料で承っておりますので、外壁にひび割れや色あせ、シーリングの劣化などを見つけた際はお問い合わせください。
現地調査で原因を整理し、状態に合ったメンテナンスプランをご提案します。
その他、雨漏りの無料調査、各種リフォームの無料見積りも承っておりますので、相模原市を中心とした神奈川県全域、町田市など神奈川県寄りの東京都内にお住いの方で、屋根、外壁のリフォームをお考えの方はぜひ弊社にご相談ください。
