瓦屋根の種類と特徴とは?粘土瓦とセメント瓦の違い
かつて屋根の主役といえば「瓦」でした。和風テイストが強いことから最近はスレート屋根にその座を奪われてきましたが、古民家人気も相まって、今でも根強く支持されています。
日本人に馴染みのある瓦にも、種類があることを知っていますか?今回の記事では、瓦の種類について詳しく紹介していきます!
屋根瓦は大きく分けて2種類!粘土瓦とセメント瓦の違い
屋根瓦は、使用される原料によって大きく2種類に分けられます。
<粘土瓦>
粘土瓦は、粘土を原料として作られる瓦のことです。粘土を瓦形に成形して乾燥させ、高温で焼き上げます。粘土瓦はさらに2つの種類に分かれます。
・釉薬(ゆうやく)瓦
釉薬瓦は瓦の形にした粘土に、「釉薬」と呼ばれる、液体がしみ込むのを防ぐのに用いるガラス質の粉末をかけて焼いた瓦です。食器を作るのと同じ製法になるため、「陶器瓦」と呼ばれることもあります。
・無釉瓦
釉薬を使用しないで焼いた瓦を指します。そのまま焼いた「素焼き瓦」、最後にいぶして作る「いぶし瓦」など、いくつかの種類があります。
<セメント瓦>
セメント瓦は、セメントと砂、水を混ぜたものを、瓦の型に入れて固めたものです。見た目は粘土瓦とそっくりですが、中身がまったく異なります。セメント瓦も、以下の2種類に分かれます。
・プレスセメント瓦
プレスセメント瓦は、セメントと砂を主原料に、製造するときに加圧(プレス)することから名づけられました。最後にフッ素樹脂塗料などの高耐久性塗料で着色されます。
・コンクリート瓦(モニエル瓦)
セメントと水と骨材を混ぜたコンクリートを瓦型に成形したあと、塗装が施されます。1970〜80年頃に盛んに使用されていましたが、現在日本では製造されなくなりました。
粘土瓦のメリット・デメリット
粘土瓦は、耐久性が非常に高いことが最大のメリットです。京都や奈良の仏閣で、1000年以上たった粘土瓦が今でも使われていることからも、その耐久性は折り紙付きです。防水性に優れ、遮熱・断熱性も高く、塗装のメンテナンスも不要です。
しかし屋根材の中では高価であること、瓦自体に重量があり、耐震性能を下げることがデメリットです。
セメント瓦のメリット・デメリット
セメント瓦は、形や色のバリエーションが豊富で、家の雰囲気や自分の好みにあわせられることがメリットです。セメントで作られているため、耐火性にも優れています。粘土瓦よりも安価なので、初期コストを抑えることも可能です。
しかし粘土瓦とは異なり、塗装で仕上げているので定期的な塗り直しなどのメンテナンスが欠かせません。セメント自体には防水性がないため、塗装のはがれは瓦の劣化や雨漏りに直結します。
マイホームの瓦がセメント瓦なら定期的なメンテナンスをしよう
マイホームの瓦が粘土瓦であれば塗装は不要ですが、セメント瓦であれば定期的なメンテナンスが必要です。自宅の瓦がどちらかわからない場合には、高所作業は危険なため屋根塗装などの専門業者に確認を依頼するようにしましょう。
築年数が10年を過ぎているなら、セメント瓦であれば塗装のし直しの時期でもあるので、あわせて見積もりをしてもらうのがおすすめですよ!