瓦屋根を葺き替えるタイミングと工事の手順
築年数が古くなり、そろそろ屋根も葺き替える必要があるのでは、と気になってはいるものの、
「瓦屋根を葺き替えるタイミングがわからない」
「どういった工事をするのか知っておきたい」
と悩んではいないでしょうか。
屋根の葺き替え工事は高額になりがちなので、とくにタイミングは慎重に見極めたいですよね。
そこで今回は、瓦屋根を葺き替えるタイミングと工事の手順を詳しく紹介していきます。
瓦屋根を葺き替えるタイミング
瓦屋根を葺き替えるときには、屋根の劣化症状を見てタイミングを判断します。そもそも瓦は非常に耐久性が高いため、メンテナンスしなくてもいいと考えている人が少なくありません。
しかし、瓦そのものは丈夫でも、瓦を止めるのに利用されている漆喰や、下地に使われている野地板などに劣化が進むと、リフォームが必要な場合があります。
どのようなケースで葺き替えが必要になるのか、症状別に見てみましょう。
漆喰がはがれている
瓦をとめるのに使用する漆喰は、瓦のような耐久性がありません。一般的には10年程度でヒビ割れや欠落が発生するため、メンテナンスが必要です。瓦自体に異常がなければ、漆喰を補修するだけで問題ありません。
広範囲にヒビやズレが発生している
瓦は耐久性が高いことが特徴ですが、台風で飛来物がぶつかるとヒビや欠けが発生することがあります。また、地震の影響でズレてしまうことも珍しくありません。
ヒビや欠け、ズレが数枚程度であれば部分補修で十分です。しかし、屋根全体に被害が見られる場合には、葺き替えを検討する必要があるでしょう。
屋根にたわみやゆがみが発生している
屋根にたわみやゆがみが発生しているときには、屋根の下地が劣化している可能性が高くなります。ヒビやズレが発生している箇所から水がしみ込むことで吸水し、下地が弱っていることが考えられます。
下地が劣化している場合には、瓦屋根の重みに耐えかねて一部が崩れてくることも考えられるので、早めの葺き替えが必要です。
雨漏りが発生している
すでに瓦屋根から雨漏りが発生しているようなら、防水シートや下地に異常が生じていると考えられます。早急にメンテナンスを実施しないと、放置していると家の構造にまで影響を及ぼしかねません。瓦屋根の雨漏りは原因の特定がむずかしいことから、瓦を取り除いたうえで下地からやりなおす葺き替え工事をおすすめします。
瓦屋根の葺き替え工事の手順
それでは実際に瓦屋根の葺き替え工事をするときには、どのような手順で進めるのかを説明します。
瓦屋根を葺き替えるときには、耐震性を向上させるためにスレートや金属屋根を採用するケースがほとんどです。今回も、軽量な屋根材に葺き替えると想定してみました。
足場の組み立てと養生
屋根工事は高所作業となることから、職人が安全に作業するために足場を組み立てます。同時に近隣へほこりなどが飛び散ることがないように、養生シートを張っていきます。足場の組み立てにかかかる時間は、一般的な2階建ての戸建てなら半日程度です。
既存の瓦の撤去
足場が組み上がったら、既存の瓦を1枚ずつていねいに外して撤去していきます。瓦を引っかけるために打ち込まれている桟木も取り外します。撤去した瓦などは、産廃施設などに持ち込んで処分してもらいましょう。
野地板の設置
続けて行われるのが、野地板と呼ばれる下地を張り替える作業です。野地板の劣化が進んでいない場合には、上から新しく重ね張りすることもあります。野地板を固定するときには、ビスを打ち付ける大きな音がするため、ご近所にはあらかじめお伝えしておくと安心です。
防水シートの設置
野地板を張った上に、防水シートを敷いていきます。屋根を雨から実質的に守っているのは、この防水シートです。防水シートが劣化したり、瓦が破損したときに傷ついて破れたりしてしまうと、雨漏りの原因になります。
瓦が多少ズレたりヒビが入ったりしても、防水シートがしっかりしていれば雨漏りを防いでくれます。そのため防水シートはできるだけ耐久性の高いものを選ぶようにしましょう。
新しい屋根材の設置
防水シートの上に、新しい屋根材を葺いていきます。屋根を葺くときには、横からの雨の侵入を防ぐために板金などで隙間をふさぐことを意識して施工します。
棟板金・雪止めなどの設置
棟が合わさる部分に棟板金を設置し、地方によっては雪止めも取り付けます。新しい屋根に葺き替えても、棟板金の処理が甘いと雨が吹き込み、雨漏りにつながる可能性があるためていねいに行う必要があります。
足場の解体
葺き替え工事が完了したら、最後に足場を解体して終了です。
瓦屋根は瓦自体や下地が劣化したら葺き替えが必要
瓦は耐久性が高いことから、メンテナンスしなくても大丈夫と思いがちですが、瓦自体や下地が劣化しているときには葺き替えが必要です。とくに雨漏りしているようなケースでは、家の構造自体にも問題が生じる可能性があるため、早めに工事を依頼しましょう。 瓦屋根を葺き替えるときには、屋根を軽量化して耐震性を向上させるためにもスレートや金属屋根を選ぶのがおすすめですよ